病気の話

はしか世界的流行と抗体検査、更に風疹について

日本で消えたはずのはしか(麻疹)が国内でも感染者が続出しています。世界的なはしか流行になった2019年に次いで昨年も多数人がはしか感染しました。新型コロナの影響ではしかワクチン接種の機会が減って世界的流行のリスクが高まっているようです。UAEから国際便で2月24日に帰国した20歳代男性がはしか感染しており、同じ便に乗っていた7人のはしか感染が確認されています。はしかを心配してはしかの抗体検査することや、はしかワクチン注射を希望する方が増えています。まず一般の方はほぼはしかに対して免疫があるので、それ程心配する必要はないと明言しておきます。抗体検査は採血するだけなので簡単にできますし、数日後には結果が出ますので、はしかに対しての免疫を心配される方は抗体検査をおすすめします(自費になってしまいますが  2200円ぐらい)。いきなりはしかワクチン注射を希望される方が問題です。はしか単独ワクチンは在庫がほぼありません。MRワクチンといって、はしかと風疹のワクチンが一緒になったものが一般に流通しているので、はしか単独でなくMRワクチンを打つ必要性が出てきます。ただし風疹ワクチンも入っているので、はしか単独ワクチンよりも値段が高くなってしまいます。そのためはしかが心配な方は、まず抗体検査をして免疫がないと分かった時にMRワクチンを注射する手配をします。はしかが心配な方は受付までご相談下さい。また当院では国の補助で風疹の抗体検査を行っており、多くの妊娠を希望する女性やワクチンを受けてない男性を採血しています。しかし先日のニュースで風疹の無料抗体検査の受診率が対象者の3割と低迷していると報道されました。はしかと違って最近風疹の流行は見られていませんが、風疹は妊婦が感染すると胎児が先天性風疹症候群となって生まれてくる危険性があり、全ての国民が風疹に対して抗体を持つことが必要とされます。無料風疹抗体検査の対象の方は是非採血に来られることをおすすめします。